ハレとケ [なげき]
「ハレとケ」という言葉がある。
『柳田國男によって見出された、時間論をともなう日本人の伝統的な世界観のひとつ』とWikiに解説されている。
ハレとは「晴れ、霽れ」とも書き、儀礼や祭、年中行事などの「非日常」を指す言葉といわれている。ケ(褻)はふだんの生活である「日常」を表しているといわれる。(※Wikiを参照しました)
なぜこの「ハレとケ」を述べるかといえば、日常のオートバイの短距離のツーリングに、おいしいものや見栄えの良いウエア、それらを紹介するきれいな写真が流行っていることに対する違和感があったため、長い間考えをめぐらしていた。
これらを受け入れているライダーは、そのほとんどが「ハレの日」として1日を過ごしているのであろう。対比される日常の光景は、お祭りの日に法被を着て、白い足袋をおろし、昼間から酒を飲んで、大きな音や声を上げても許される日…。いわば無礼講が許される息抜きの場である。
私の個人的な印象では、これとおいしいものを求めて集団で疾走するバイクツーは見事に重なる。ある意味、黄色踏みも無礼講、自主的法定速度順守もハレの日は特別、捕まらなければよい。
しかしさすがだと思うのは、飲酒運転はご法度である。適度な「やんちゃ行動」は許されるが、刃傷沙汰に近い行動は、自然と自制されている。
さて、私にとってこの毎週週末に繰り返される「ハレの日」は、日常生活の中で許容できるか?
正直、苦痛である。
私のソロのバイクツーは「ケ」の延長であり、これ見よがしにお祭りをする気持ちはない。いいや、全くないといえばうそになる。お祭りは好きだ。浴衣姿の盆踊りは、幼いころの日本の風景として脳裏に焼き付いている。でも毎週の必要はない。
苦痛なのは「ケ」の中の礼儀ある地方の生活者を、どこからやってきたかわからないバイク集団が、とろとろ走っていると罵声を浴びせながら抜き去る。罵声こそ浴びせないが、神輿(=バイク)のお通りだから、ちょっとよけてね、とばかりに高齢者の軽トラを抜いていく。 そんな権利があるのかな、僕たちに…。道路を走ることは許されていても、やんちゃな走りを許されているわけではないと思うのだが、如何かな?
周りを見渡せば、「ハレ」を演出する雑誌やBlogの記事がたくさん見られる。見栄えのしない日記や写真は、面白みがないということになるのかな?
でも私は、バイクとの付き合いは、「ケ」こそ大事にしたいと思う。
ちなみに、Facebookで「キャンプは3K円が目安」と書いた。
ただよく考えてみると、「ハレ」のキャンパーにとっては、あまりこのような縛りは必要ないのであろう。Blogなどには「コストは考えない」という意見も多くみられる。
しかし、あえて一言。ソロで長い距離をキャンプツーした経験がないのでは? 時間も決めず目的地も決めない、縛りのないキャンプツーのご経験は?
キャンプツーのだいご味は、予定もない、行先も決めない、決めているのは帰る予定ぐらいで、どこそこのおいしいものを食べるのではなく、偶然見つけた食べ物をおいしくいただく。水や副食もその土地のものをいただく。だから、夕食が「ホカ弁」になっても致し方ない、そのような場所だから、それしか選択肢がないから…そして懐の財布と相談する、あと何日旅をするのかわからないし…
そんなものしたいとも思わない、というご意見も多くあるだろうが、立ち位置が違うのだ。だから「ハレとケ」なのだ。
以前に比べ、大型二輪乗りの"品"が落ちた気がします。
本来の"免許"の意味、『禁止されているものを免れ許されている』を履き違えている輩が多くなってるような。
昔憧れた大型バイク乗りって、もっと格好良かったなぁ~と思ったり...
by XXAR2 (2013-05-24 19:16)
XXAR2さん
こんにちは。九州や北海道はまだしも、人口密集地は確かに走りにくくなりました。どう違うかといえば、クラッチを握る回数が(おそらく)何倍も違います。交通量も多いです。このような環境で、とろとろ走っている高齢者の軽自動車などは確かに「うざい」かもしれません。気持ちはわかりますが、常識の範囲で行動すべきです。
やはり、何時にどこそこに行かねばならない、というゲームのような走りについていけないです。
takさん
修学旅行を経験して、一人旅へと世界を広げていくのが普通だと思っていました。そのままそこにとどまる人がいるのですね、残念ながら…
ちなみに、3K円は確かに高いです。でも、野営代(最近高い(涙…)、近くの温泉代(銭湯)、ビール代、夕食代、ガス代などを含めると、なかなか厳しいのです。たとえば野営代0.7K円、温泉代0.5K円、食事など0.5K円、ガス代1K円…oz
ちなみに、ガス代1K円で7L、リッター30Kmで計算すると、1日の行動範囲は200km、およそ湘南から回り目平キャンプ場の距離です。下道を走れば、何とかおさまります。また行きましょうね。
by micyu (2013-05-25 06:49)
皆様、nice!ありがとうございます。
by micyu (2013-05-25 06:51)
おはようございます。
最近、中年の乗り物として
一般的になり下がってしまった感が
否めません(笑)
それが時代の推移の結果であることは十二分に承知していますし、
嘆いたり、悲しんだりはせず、静観していますが(^.^)
自由度を入手して初めて真価を問われるところかもしれません。
抑圧された状態では人畜無害に装って
抑制がとれると身勝手さを発揮してしまう。
それでは未熟者、愚の骨頂の極みでしょう。
バイクに乗る者以前の問題かとは思いますが(笑)
by POP (2013-05-25 08:22)
POPさん、お久しぶりです。
かなり手厳しいご意見、でも私もそう思います。バイクは極度の緊張感が持続する乗り物ですから、日常の生活とはかけ離れたもの。ここでいかに自分を取り戻していくかが、年季の入ったライダーとそうでないライダーの違いなのかもしれません。
「ケ」の中で淡々とバイクに乗るのは、実はかなり経験を要することに改めて気が付きました。
経験だけは豊富なので、「ケ」の中でバイクを扱えるような年齢になったのですが、反して体は衰えます。この前なんでもないカーブで転倒して、現在リハビリ中です。(入院もしていないのでたいしたことないです)
by micyu (2013-05-25 14:05)
僕にとっても、バイクに乗るのは“ハレ”なんですが
なにしろ、平日ですから、世の中は“ケ”ですね
ソロが多いから、かなり意識させられます
集団心理って、やっぱりあるかなと思ったりもします
でも、自制はむずかしい・・・ “ケ”の延長で乗ることができるだろうか?
あ、KTM福岡 オープンしましたよ。
by T2 (2013-06-05 23:26)
T2さん
お久しぶりです。バイクと日常ではない1日を過ごす、というのは決して嫌いではなく、ワクワクもします。
でも、今の私は、バイクは日常の乗り物+αが心地良いのです。決してお神輿ではない、生活の中の乗り物です。
6万キロの大掛かりなメンンテナンスの時に、前のスプロケを2T落としました。690は、3000回転以下はぎくしゃくして、気持よく走れません。ちょうどオーバートップで60kmあたり、一つ下の5速だと4000回転弱ぐらいになります。このギヤを選択すると、トルクが抜けきっていないので、アクセルワークに神経を使います。そこでスプロケを2T落として、オーバートップでの回転数を少し上げて、走りやすくしました。効果はてきめんでした。
しかし、ご存知のようにトップスピードが犠牲になります。100km+αで、5000回転をかなり上回ります。これは高速道路ではかなり辛抱しなければならない回転域です。
日常にふったバイクだよ、下道を法定速度+αが快適になるようにしたんだよ、という事を、ベテランは理解してもらえます。お互いのバイクの得意とする気持ちのよい走り方を、お互いにきをつかいながら走ってくれます。
しかし、「にわかお祭り若い衆」は、このようなバイクとの接し方を知りません。お神輿を磨くことにしか、メッキの輝きにしか目がいきません。このコミュニケーション不在の薄っぺらいイベントに飽き飽きしているのです。
by micyu (2013-06-06 08:43)
2T落とした → 2T増やした でした(汗
by micyu (2013-06-15 22:37)