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オートバイに乗る理由 [歴史]

20代の前半に教習所で中型の自動二輪の免許を取った。札幌の赴任先の同僚が無類のバイク好きだったことがきっかけなのだが、それ以来バイクが手元を離れたことはなかった。

最初に乗ったスズキのRG250はけたたましい音をたてながら、しかしすばらしく早く、そして軽かった。
(このバイクで北海道の下道で1,000km/日を走った思い出があります。ライダーズ・ハイも経験させてもらいました)
RG.jpg(スズキ RG250)
そしてしばらくして増車したのがホンダのイーハトーブ、125CCのトライアラー(?)である。
TL125.jpg(ホンダ TL125 イーハトーブ)

両方とも故障で手放し、次に乗ったのがTL200というトライアラー(これは正真正銘かな?)、これで伊豆を一周したのだが、ブレーキが利かない以外(本当は重要なことのだけれど・・・)実に快適、一番のお気に入りだった。
TLR200.jpg(ホンダ TLR200)
TL200の後は、颯爽と登場したカワサキのゼファーの400CCに一目惚れして購入。TL200のサスペンションと比べあまりの優秀さに目をを丸くしたのを覚えている。しかし残念なことにパワーがなかった。
zefa.jpg(カワサキ ZEPHYR400)
一緒にツーリングにいく仲間で、初期のC型ZZR1100に乗る”若ちゃん”の走りに魅了され、仕事でも腐っていたので、大型の一発試験に挑戦。確か4回目に合格したような気がする。
すぐにあこがれの黒のZZRを手に入れ、さーてと走り出すと、そんじょそこいらのバイクとは別格の存在で、実に乗りこなすのは難しかった。”若ちゃん”は安房峠(信州の安房トンネルができる前に通行していたすてきな(=劣悪な)峠道)のタイトコーナーで、1.5車線をぎりぎりに登っていく観光バスをZZRで抜いていくのだが、正直「僕にはできない!」と悟り、2年で降りることにした。
ZZR.jpg(カワサキ ZZR1100R)
次のバイクはおっさんバイクでいいや、と考えBMWのR1100Rを購入、思った通りのおっさんバイクでした。ただコーナの安定性はさすがのもので、よく「こける気がしない!」などと噂を聞きましたが、まさにその通りでした。
R110.jpg(BMW R1100R)
最初の1台が盗難に遭い、2台目も同じR1100R、最初のはグリーンメタリックでしたが、2台目はややくすんだブルー、エンジンも静かで”当たり”だったんですが、よる年波に勝てず、カワサキのDトラッカーに乗り換え。軽くて超らくちんでした。
D-tra.jpg(カワサキ DーTRACKER)
Dトラッカーに変えた理由の1つに、チョイノリに持っていたカワサキのKSR80が大のお気に入りだったということもあったのですが、残念ながら2ストから4ストに乗り換えたとたん「80CCよりパワーがないなー」とがっかりでした。

50歳を過ぎてそろそろオートバイを降りる時期かな、と思い、最後はハーレー(キャブ仕様限定)と思って物色していたのですが、東京モータサイクルショーでKTMに遭遇、またバイク熱が再燃してしまいました。
今乗っているKTMの690SMというモタードは、京都と湘南の片道400kmを老体を乗せているにも関わらず、易々と走破してくれますし、燃費も平均28kmと申し分ありません。
690.jpg(KTM 690S/M)

さて長々と読んでいただきましたが、私のオートバイに乗る理由を読みとっていただけたでしょうか。
そう、特別に速い車を次々と乗り換えていったわけでは有ませんし、豪華な車に乗ってきたわけでもありません。手元にあって、ちょっと便利で、なによりも軽く、お手頃なバイクを乗り継いできただけで、言い過ぎかもしれませんが、それほど愛情も注いできたわけでもありません。
それでもかたときもバイクを降りなかったのは、自分との相性がよかったためだと思います。

キャンプ道具を満載して10日近くのツーリングに出かけたり、片道75kmの会社通勤に使ったり、深夜の高速をただ走ってみたり、その時々の心の赴くままに寄り添ってくれる、”安全とはいえない相棒”がバイクという名の乗り物だったということなのかもしれません。

だから走るのは大人数もたまにはよいけれど、基本は1人で走るのが好きで、そのかわりパンクの時の対処やエアー抜けの時のリペアパーツを慎重に選んだり(※ すべてバイク屋任せは走る楽しさが半減)、行きあたりばったりの宿泊所を気にしなくてよいテントを好んだり(※ 宿の手配なんか大嫌い)、軽く山の散策もするのでバイク用のブーツもはかなかったり(※ バイク用のブーツも大嫌い)、ライダーが好むウエアも着なかったり(※ バイクウエアは正直、大嫌いです)、半袖で乗れなければバイクの楽しみが半減すると危険でもTシャツを愛用してみたり(※ メッシュがどうしたなんて大嫌い)、食事はあんパンと牛乳か、魚肉ソーセージでOKだったり(※ ま、金がないということだけですが)・・・やはり、道徳的な[犬]ライダーとは違うようです。

Blogの友達で、リアルでも親友のtakさんが、自分はオートバイが好きなのではなく、旅の道具としてバイクに乗っている、と書いておられましたが、私は旅ばかりでなく、生活の相棒としてオートバイが必要です。
ですから今の690は、今の体力や生活パターンにはちょうど良い”相棒”ということになるかもしれません。
はたして、この相棒に後何日乗れるのか、体力次第では明日がその日かもしれません。でもきっとそのときは、最期まで寄り添ってくれた”相棒”に、偶然にも乗り始めるきっかけを造ってくれた神様に感謝することになるでしょう。

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コメント 23

すろっさん

ビーマーもやってみえたんだ、知らなかったー。

選ぶのはその人の個性もかなりウェートがあるように感じますね。
by すろっさん (2009-07-23 05:51) 

Krause

28km/l とは、優秀な燃費ですね。私が10代の頃に乗っていたSUZUKのGS750は、13km/l くらいしか走らずガソリン代捻出が大変でした。
by Krause (2009-07-23 07:41) 

くっさん。

バイクも、人それぞれにいろんな楽しみ方がありますね(^^)
僕は、バイク=レーサーで、荷物を積んだりするのは嫌いだったのですが、
テントを積んでの気ままなツーリングも楽しそうですね。
by くっさん。 (2009-07-23 08:14) 

イナテツ

自分も旅の道具=移動手段でバイク乗ってるみたいな、、、
のでバイクいじりはしなくすべてディーラー任せです。
これは「餅は餅屋でちゃんと整備士資格持った人に見てもらう」という意味もあります。

車より危険で快適じゃないバイクにあえて乗る人はある意味偏屈者かと。
そういう人が集まり走る訳ですから色々ストレスかかりますよね。(笑
ので自分も基本ソロが好きですよ (^^)
by イナテツ (2009-07-23 12:00) 

ドクトルパンダ

いやいや、さすが、野生児、もとい、野生オヤジ!micyuさんですな!
小生、若かりし頃は、愚妻殿と2台でツーリングに何度か行きましたが、いつも寝袋を後ろにくくりつけ、ホテルに泊っておりました。軟弱でスンマセン!^^;
by ドクトルパンダ (2009-07-23 15:14) 

tak

排気量に、こだわらないんですねー。

バイクが好きな人というと、なんだか、
でかいバイク=えらい、みたいな感じで、
どんどんバイクが大きくなっていきますけど、
実際には、小さいバイクには小さいバイクなりの
良さがあります。

さすがに、わかっていらっしゃる。

私も、排気量には、あまりこだわらない方で、
現時点において、いちばん魅力的なバイクは
250CCのセローですね。道を選ばず、どこにでも
行けて、燃費もよさそうですから。
by tak (2009-07-23 17:14) 

akipon

ゼファーはやっぱり格好良いです。カワサキも何台か乗られているんですね。
癖のあるKTMを乗りこなしているのは、さすがベテランライダーだと思います。僕には難しいバイクです。
by akipon (2009-07-23 19:15) 

e-g-g

人生にバイクあり、ですね。
50代も半ばを過ぎてからバイクに乗り始めた私は、
相棒と呼べる関係には、ちょっとなりませんでした。
走る感覚は、もちろん楽しいものでしたが。

ともかく、これからも安全に走り続けられますように。

by e-g-g (2009-07-23 19:52) 

YASH

いいお話ですね。
普通のバイクがほとんど無くなってしまった“あの頃”は、
何に乗っておられたのかと思ったらTLでしたか。
なんだか頷けるような気がします。

オートバイが良い相棒になるにはオートバイそのものももちろんですけど、
それにまつわる良い(面白い?)人の繋がりが持てるかどうかも
関係するような気がします。
そういう点でも私は神様にお礼を言いたいです。
by YASH (2009-07-23 21:28) 

アマ

色々と乗られておりますね~(^^)
ZEPHYR400は先輩が乗っていまして、よく借りましたが・・・
確かにパワー不足で走りませんでしたね(^^;

私の場合、なんだかわかりませんがバイクに乗り続けています・・・
バイク人生の最後はハーレーではなく、3台目でいきなりハーレーでしたけど(^^;)
でも無理してでも買って良かったと今では思います(^^)v
by アマ (2009-07-24 17:43) 

セローおじさん

排気量やブランドには拘りません、自分が乗って楽しいと感じるバイクが一番ですね、カブでもBIGBIKEでも
趣味性の高い乗り物は、本人の気持ち優先です、ですから雑誌の記事はあり鵜呑みにしないほうがいいですね~

by セローおじさん (2009-07-26 12:42) 

micyu

すろっさん
はい、ビーマーにも乗っていました。ダイビング機材をRの後ろに積んで、大瀬まで潜りにいって、帰りにヘロヘロになりながら、立ちゴケ寸前で三浦半島まで帰ったことがあります。ダイバーの皆さんに「スゲェー」とか言われて、最初はいきたかだかだったんですが、もう2度としません。

Krauseさん
燃費が非常によいバイクです。確かに単気筒ですから燃費がよい傾向にあるのですが、やはりケーヒンのインジェクションのおかげだと思います。

くっさん。さん
「バイク=レーサー」って、くっさん。さんらしいですね。私は実用的でないとダメなんです。ですからZZRもRも余りお気に入りではありませんでした。このバイクの中で最も評価が高いのは、なによりイーハトーブです。もう2度とこのようなバイクは出てこないでしょうね。

イナテツさん
気ままな性格なので、一緒に行くと迷惑を掛けてしまうこともあり、ソロが多くなってしまいました。でもタンデムは意外と好きです。

ドクトルパンダさん
奥様と2台でオートバイの旅、どう想像しても素敵です。しかも寝袋を積んでおられたのですから、星を見ながら野宿なんてロマンチックで良いのではと思いましたが、蚊と夜露で明け方は悲惨なことになりそうです(>_<)
by micyu (2009-07-27 21:34) 

micyu

takさん
Dトラッカーの不満といえば、高速道路の巡航が難しいという欠点だけでした。何しろ120kmで走ると、エンジンが分解するのではないかと思うくらいがんばらないといけませんから・・・多分セローも同じ欠点があると思いますが、これさえOKなら、多分至福のバイクの1台だと思います。早速行動に移しましょう(^^)/ね。

akiponさん
ゼファー、かっこよかったですよね。ちなみに大型免許の試験に、ゼファー750(とCB750)が無かったとしたら、合格することは金輪際無かったと思います。
KTMは少々神経を使いますが、決して難しいセッティングのバイクでは無いと思います。某ba●bieさんにも「これが乗りこなせなくてBMは無理!」と何回かトライしてもらっていますが、結構様になっていますよ。

e-g-gさん
大きなバイクを持つと、チョイ乗りの小さなバイクが欲しくなるようです。私はBMのRとKSR80でした。でどちらが好き?と聞かれれば断然「KSR」でした。小さくてセンスが良くて品質が高いバイクなほど愛着が湧いてきます。

YASHさん
はい、あの頃はSS系ばかりで気に入りませんでした。TLは乗れば乗るほど素敵なバイクでした。いまTLに近い感覚のバイクは残念ながらなさそうです。
確かにバイクに長く乗っていると、その時々の、もう会うことが難しい人たちの姿が浮かんできます。どれも良い思い出です。

アマさん
私も次の1台は、そして多分最期の1台はハーレーになりそうです。でももしかしたらビューエルになるかも・・・となると最期の1台ではないですねー

セローおじさん
脈絡のない車種選びでお恥ずかしいです。その時々、財布との相談でベストなバイクを購入して、気に入ればそれが最高だと思います。
ちなみに、イーハトーブで関東から北海道にまで遠征しました。あの小さなシートは”おしりイジメ”でしたが、空気に混じっていくような走りはどんな場所でも変わらず、ひ弱なエンジンと対話しながら走るのが楽しかったです。
by micyu (2009-07-27 22:03) 

micyu

xml_xslさん、かみねんどさん、りんごさん、nice!ありがとうございます。
by micyu (2009-07-27 22:07) 

つっつの母

色々なバイクに乗ってこられたのですね。
その時々に自分が求めるものって変わりますから・・・
そして、これから何を選ばれるのでしょうか
私のDS250は娘がかっこいいからというだけで選んだのですが、主人や弟について行くのはちょっと申し訳ないバイクです。
ただ、移動する空間と時間を体感できることに関しては今の私の腕前にはちょうど良いみたいです。体力も経験も変化して次に何に乗りたくなるか、考えるのもこれも楽しみのひとつですけど
by つっつの母 (2009-07-30 12:42) 

murasawa

いろんなバイクに乗り換えてるんですね~
by murasawa (2009-08-01 15:31) 

micyu

つっつの母さん
ご無沙汰しています。DS250はかっこいいですよ。ヤマハは素でもかっこいいデザインだと思います。(ホンダは素だとどうかナー、なんですが人がまたがるとかっこいい・・・)大事にたくさん乗ってください。

murasawaさん
脈略のない選択をしてきました(>_<)
でもそのときそのときに理由があって選んだような気がします。
by micyu (2009-08-05 08:46) 

micyu

「マッド」さん、nice!ありがとうございます。
by micyu (2009-08-05 08:47) 

ビス

690はそんなに燃費がいいんですねっ。知らなかったです。
足が長いとKTMにのれていいなぁ~・・(TT
by ビス (2009-08-10 01:53) 

micyu

ビスさん
あまり回さなければ、30km/Lという時もあります。
しかし、前のタイヤももう2万4000キロ以上、ブレーキパットもまだ換えていないのですから、乗り方に少々問題があるのかもしれません(>_<)
足はツンツンですから・・・

by micyu (2009-08-17 12:24) 

のの

くー。
カッコいい・・・。ただその一言です。

高校生のころ50CCの黄色いタクトを乗り回してまして。
後輪のタイヤがツルッツルになるほど横滑りさせてブレーキかけてました^^;。
バイク屋のおじさんに「女の子でタイヤこんなんなる運転する子はいない」と叱られたことも。。。。
風を感じながら走るのって楽しいですよね。


by のの (2009-08-26 01:20) 

micyu

ののさん
「後輪のタイヤがツルッツルになるほど横滑りさせて・・・」
凄いです。(^^;)手足のようになったバイクは、大事な相棒ですね。ところで、barbieさんが付けた私のあだ名が「フレブル」、ものを言い足そうな時の目が、似ているそうです。(>_<)

つっちーさん、nice!ありがとうございます。
by micyu (2009-08-27 21:20) 

いぬのきもち

今更拝見しましたが、すばらしい記事です。
人に歴史あり、ですね。
by いぬのきもち (2009-10-12 00:42) 

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